2016年3月29日 12:34
火星探査機「エクソマーズ2016」危機一髪? - ロケット分解、破片が襲う
破片がエクソマーズ2016を襲った可能性
ブリースMがエクソマーズ2016との衝突を回避するための噴射を行うよりも前に分解したということは、すぐそばにエクソマーズ2016がいたということになる。つまり分解によって発生した破片が、散弾銃のように探査機を襲った可能性がある。
ただ幸いなことに、日本時間3月23日現在、エクソマーズ2016は順調に航行していると発表されている。ただ、影響のない範囲で、あるいはまだ起動していない機器などが損傷を受けている可能性がないわけではない。
エクソマーズ2016のセンサーへの影響
もうひとつの懸念は、探査機のセンサーの誤作動である。エクソマーズ2016をはじめ、人工衛星や探査機には「スター・トラッカー」という装置が搭載されている。スター・トラッカーは、目立つ恒星や星座をカメラで見て、星図と照らし合わせて、自分の位置を確認し、姿勢や位置を知ることができる。
しかし、探査機にとっては、写っているものが本当に恒星なのか、それとも恒星に見えるだけの別のものなのかを判別することができない。
そのため、探査機の周囲に本来はあるはずのない破片が浮かんでいると、それを恒星と見間違い、正常な判断ができなくなる可能性がある。