日本で個人主義的な人は、親しい友人の数が少なく幸福感が低い - 京大
今回の研究は、日本とアメリカの大学生を対象に調査を行ったもので、参加者は、個人主義傾向、親しい友人の数、幸福感を報告。個人主義傾向を測定する指標として、「課題や技術において他の人よりもうまくやると、自分に価値があると感じる」、「自分をどう思うかは、私が学校や職場でどれだけ優秀であるかということとは結びついていない(逆転項目)」などの項目が用いられたほか、親しい友人の数は、「ソシオグラム」と呼ばれる人間関係図を10分間以内に作成し、その後に指摘された「一緒にいて居心地の良いと思える友人」の数を採用した。また、幸福感は、「人生満足感尺度(「だいたいにおいて私の人生は理想に近いものである」など)」、「快感情(幸せ、喜びなど)・不快感情(不安、憂うつなど)」を日頃どの程度頻繁に感じるか、「協調的な幸福感(「自分だけでなく、身近な周りの人も楽しい気持ちでいると思う」など)」、「身体的健康(頭痛、食欲がないなど)」を合成した変数を用いて導き出したという。これらの調査の結果、アメリカにおいては、個人主義傾向は親しい友人の数や幸福感と関連していないことが示されたが、日本においては、個人主義傾向が高い人ほど、親しい友人の数が少なく、幸福感が低いことが示されることとなった。