くらし情報『「日本警察史上、最大の不祥事」で自主規制をぶち壊せ! - 白石和彌監督、邦画界に捧ぐ"悪意"の表現「本命だけのレースはつまらない」』

2016年7月5日 10:30

「日本警察史上、最大の不祥事」で自主規制をぶち壊せ! - 白石和彌監督、邦画界に捧ぐ"悪意"の表現「本命だけのレースはつまらない」

という核心をつく言葉がありました。そういう人間の二面性は常に意識されているんですか。

『凶悪』の原作者・宮本太一さんはとてもすばらしい方ですし、ジャーナリズム精神を実践して高い評価を得た方。そこを映画で描くことは重要だと思いますが、一方で「結局それで飯食ってるやん」「何部売れたって話をしてるんでしょ」という見方もされるわけです。それはテレビやほかのメディアも同じだと思います。僕らだって北海道警察の悪事をテーマにしていますが、公開初日に果たして何人見てくれたのかはやっぱり気になります。そこには「正義」も「悪」もないと思うので、そこから一歩引いたところで見たいという思いは常にあります。

――『週刊文春』の編集長を取材したことがあったのですが、仕事に「正義」はないと。
同じようなことをおっしゃっていました。

そうなんですね(笑)。売れるものが「良いネタ」とされるわけで、われわれもヒットをすればそれは「良い映画」になる。

○シートベルトしない描写は「もっと自由を」の悪意
――今回の映画では、刑事がシートベルトをしない描写がありました。表現の自主規制として、よく話題に上がるのがこの"シートベルト問題"です。

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