くらし情報『山口大など、レアアースを含む2種類の新鉱物を三重県伊勢市で発見』

山口大など、レアアースを含む2種類の新鉱物を三重県伊勢市で発見

今回の発見を含め、この鉄マンガン鉱床から見出された新鉱物は合計して4種となった(画像1)。いずれもこれまで他地域からの報告はなく、現在のところ、伊勢市矢持町の鉄マンガン鉱床こそがこれらの鉱物の世界唯一の産地であるといえる。

今回のランタンフェリ赤坂石とランタンフェリアンドロス石は、2013年に発見されたランタンバナジウム褐簾石の近縁種で、いずれも「緑簾石」グループの化学組成と結晶構造を持つ。いずれの種も画像2に見られるような褐色~黒色の柱状結晶で産するため、外見からは区別することは不可能だ。含まれる元素の種類によってその鉱物名は変化する。

緑簾石グループは非常に複雑な化学組成と結晶構造を持つ。画像3が、ランタンフェリ赤坂石・ランタンフェリアンドロス石の結晶構造図だ。結晶構造は「単位格子」と呼ばれる最小ユニットが3次元的に繰り返すことで形成されるが(画像3中の黒枠が単位格子を示す)、緑簾石グループはその単位格子の中に8種類の陽イオンが分布する場所(=席)があり、その内5種類(緑簾石グループでは、A1、A2、M1、M2、M3席と呼ばれる)で、それぞれの大きさや特徴に合わせて多様な種類の元素が分布する。

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