2016年9月16日 12:00
テレビ屋の声 - 第9回『電波少年』伝説のD・〆谷浩斗氏が見る今のテレビ「安全なところで作っていないか」
そこから、全部事前に連絡なんかしないで行っちゃおう、ということになったんですよ。当時はチーマーの更生企画で「めちゃくちゃな番組がある」と言われていたんですが、ここで"アポなし"という言葉を使ったのが新しくて、みんなの中に刺さったのかもしれないですね。
――政治家のところにも結構行ってましたよね。
ダメをどう面白く見せるかということを考えると、より不可能なところに行った方が面白くなると思って、政治家に行き着き、大の大人がみんな座りたくなる総理のイスってよっぽど座り心地いいだろうから、座らせてもらおうという発想で始まりました。言い換えると、眼の色変えて権力争いをしてトップを狙おうというところに、チャチャを入れたいという企画です。最初は政権与党の自民党に行って、当然のごとく「何しに来たんだ」と言われたんですが、ハマコーさん(浜田幸一議員)に掛け合ったら「よし、分かった! 座らせてやる」となって、成功しました。ここからシリーズ化されていったんです。
――成功しても、社内の政治部や記者クラブなどからクレームもあったのではないでしょうか?
当然あったと思います。
ただ、政治家の方たちはすごくて、若い人たちが見ている番組で門前払いなんかしたら、自分にとってマイナスイメージになると瞬時に感じ取るんです。