2014年4月11日 16:23
虫垂は無用の長物ではなく、IgA産生の制御に関与していた - 阪大が解明
また、虫垂リンパ組織およびパイエル板のIgA陽性細胞がどこに向かうのかを調べたところ、虫垂リンパ組織のIgA陽性細胞は小腸と大腸に移動するのに対して、パイエル板のIgA陽性細胞は大腸にも移動するものの、主に小腸に移動することが判明した。
さらに、小腸および大腸へのリンパ球の動員は複数の液性因子「ケモカイン」により制御されているため、虫垂リンパ組織およびパイエル板のIgA陽性細胞のケモカイン受容体の発現を調べたところ、パイエル板のIgA陽性細胞は小腸へ導く因子が強く、大腸への因子は発現が弱いこと、一方の虫垂リンパ組織のIgA陽性細胞は小腸、大腸双方の因子を発現することが判明したという。この結果、虫垂がなくなると、大腸の腸内細菌叢のバランスが崩れることが判明したとする。
研究グループでは、今回の結果について、近年、腸内細菌叢の変化に伴い、腸管感染症に対する感受性が亢進することや、炎症性腸疾患が発症することが報告されているが、虫垂の切除による炎症性腸疾患発症感受性の変化も報告されており、今後、虫垂リンパ組織の重要性を念頭においた腸管免疫系の制御法の開発を進めることで、炎症性腸疾患や腸管感染症の治療に繋がることが期待できるようになるとコメントしている。
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