2014年5月5日 11:00
しのぎを削る北海道ラーメン事情 -「函館ラーメン」はほかとこう違う!
札幌の味噌ラーメン、旭川の醤油ラーメンと並び、北海道3大ラーメンのひとつとされている、函館の塩ラーメン。全国的には札幌と旭川のラーメンほど知名度はないものの、逆にこれからドーンと一気にブレークする「伸びしろ」は大きいと言える。そんな期待大の函館ラーメンを現地で食べ歩いてみた。
○ワンコインでおつりがくる!
まず訪れたのは、昭和61年(1986)創業という「昭和苑」だ。「函館ラーメンの特徴?うーんそうだなぁ。やっぱり"あっさり"に尽きるかな」。そう語るのは店主の平原惣之助さん。
平原さんによれば、函館は幕末に開港した国際貿易港で華僑とも深い付き合いがあった。
資料によれば、そのルートから伝わったのが中国南部の塩味の湯麺だという。つまり、函館のラーメンは東京や横浜などを経由していない、中国から直系のものだったのだ。鶏ガラの澄んだスープはその頃からの伝統だという。
とはいえ、今も鶏ガラだけでスープを作っている店は少数派だろう。昭和苑もベースはトンコツで香味野菜と昆布、カツオの一番ダシで風味をつけている。だが、伝統の"あっさり"は変わらず。そして麺はかすかにウエーブしただけの、ほぼストレートの細麺だ。