2017年10月20日 10:00
『アウトレイジ』音楽・鈴木慶一、北野武の"引き算"を恐れる興奮「なんだ、これは」
――監督の心に響いた時は分かるものなんですか?
わかりますよ。「いいね」って。
――ずいぶんとあっさりですね(笑)。
そうですね。1作目は今から7年前になりますが、確認の仕方も技術的にかなり進歩しました。最初はCDプレイヤーを渡して、モニターで流す映像に合わせていました。今はPCを持ち込んで、映像に貼り付けたものを流してチェックしてもらっています。そして、その場で「この音いらないかな」で間引いて消したり、伸ばしたり、繰り返したり。
そうやって最終テイクに近いものを早い段階から聴いていただいています。
○監督立ち会いの確認「ヒリヒリします」
――北野作品は5作目ですが、監督のイメージしていることも掴みやすくなりましたか?
過剰なメロディやリズムは必要ない。トゥーマッチなものは不要なんです。ドラムとベースで作るリズムを寸断してしまったりとか。あとは音響効果の柴崎(憲治)さんが、車の走る音を低音でいれたりするので、ベースもいらなくなるんですよね。通常、ベースでリズム的なノリを出すんですけど、結局はなくなるから最初から入れなくなりました(笑)。
――柴崎さんとは『座頭市』(03)