手ブレ補正機能付きの"防振双眼鏡"、ライブ・観劇需要でメーカーもびっくり!? キヤノン商品企画担当に聞く
という技術を使っていました。プリズムの角度が自在に変化することで手ブレを防止するのです。
この、ビデオカメラ用の手ブレ補正技術を使って新しい製品を作りたいという、どちらかというと技術的な発想からできた製品でした。私どもの部門は一眼レフの交換レンズを作っていましたので、そのレンズの技術が防振双眼鏡の開発に使えるのではないか、と思ったのです。
超望遠レンズを作っている開発センターのメンバーが設計しているので、いろいろな光学技術のノウハウを防振双眼鏡の開発に活かしています。双眼鏡の世界は長年大きな技術的な進化はなかったのだと思いますが、そこにエレクトロニクスの技術を入れて防振双眼鏡を作りました。光学技術と電気工学技術の両方を持っているという、キヤノンの強みを活かした製品が誕生しました。
――確かにもう、カメラに近いですよね。
島田:撮影機能はありませんが、カメラメーカーのノウハウが活かせていると思いますね。
――使い方として想定していたのは、やはりバードウォッチングだったんですか?
家塚:そうですね。当時はインターネットで用途を検索すると、バードウォッチングか天体観測がほとんどでした。