『THE3名様』原作者と蜜月関係で19年…森谷雄監督が語る最大のポイント「全員、大真面目にやっている」
原作ものの映像化というのは、そのままやればいいのではない。俳優陣、制作陣、それぞれこだわりがあり、原作という“二次元”を映像という“三次元”にするには当然、意見をすり合わせていかなければならない。現場ではよくディスカッションが行われていました」
二次元を三次元にする場合、どうすれば再現度を高くできるかという課題については、フィギュア制作を参考に語りたい。例えば二次元のキャラクターをそのままデザインすると、不思議なことに違和感が生まれる。ゆえにフィギュア制作者は脚をやや長くするなどのデフォルメをする。ミニカーなどであれば実際の車のデザインよりも丸みを持たせたりする。つまり、“実際”から少し変えた方が“再現度が高い”と評されるのだ。
『THE3名様』でも原作リスペクトのファミリーレストラン「ビッグボーイ」のロケ地を制作側が準備。
あとは脚本通り、演者が真剣に演じ、それを一流のスタッフが撮る。実は同作にアドリブはない。すべて作り込まれている。
「お客様に笑っていただくのに、こちらがふざけてしまってはいけない。人は、誰かが真剣にくだらないことをやっている姿を滑稽に感じるものですから、作る側も演じる側も“真剣”そのものでないと、笑ってもらえないんです。