「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (4) 長期投資の原点!! 「債券運用」に”どっぷり”浸る
狂乱のバブル景気は、1990年に政府・日銀の行政指導による不動産向け融資の総量規制と三業種規制といわれる銀行貸し出しの建設・不動産・ノンバンクへの資金使途制限が厳しく実行されたことによって、高騰を続けていた不動産価格が急落、同様にあらゆる資産価格が強烈な値崩れを起こし、予想をはるかに超える景気後退へと一転しました。
そしてこれが「失われた20年」の始まりだったのです。
株式市場も当然下落一辺倒となり、証券会社は運用会社と密約していた利益を出すことができず、1991年にはとうとう損失補填(ほてん)の実態が世間に明るみに出て、いわゆる証券不祥事へと発展しました。
大量の資金を証券会社を通じて右から左へと回せば利益が上がる狂気の時代はあっけなく幕引きとなり、大手証券ではたくさんの首脳のクビが飛んだのでした。
そもそもこんな馬鹿げた資産運用がいつまでも続くわけがありません。
大量の株式をドーンと買い上げて、またドドーンと売り抜ける。
得られた利益の裏付けは確実に誰かの損失に基づくもの。
ビジネスとして資産運用を行っていながら、それは財テクと称して自ら付加価値を生み出さない、明らかに”食うか食われるか”のギャンブルです。