岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (4) 『国債暴落の危機管理計画』に思う、「何を今さら? なぜ今さら?」
2001年の同時多発テロ以降、特に厳しく報告が義務化されたように記憶しています。
というわけで、『危機管理計画』を銀行が今になって作ったということはまずありえないと思います。
最大約42兆円もの国債を保有する三菱東京UFJ銀行が、金利が上昇した際のリスクを想定するのは当たり前で、以前からあるはずの『危機管理計画』についてなぜ今さら話題に取り上げているのか? と疑問が生じるのです。
また、安住財務相が昨年10月31日からの為替介入について「(1ドル=)75円63銭で介入を指示し78円20銭でやめた」と口を滑らせた、あるいは手の内を見せるなどもってのほか、という各種メディアの論調についてですが、個人的には為替介入が国民の資産を使っている以上は、ある程度の期間が経過した時点で為替介入の詳細については公表されるべきだと思っています。
使途を明確にすることが、無駄遣いを防ぐ最良の手段であるからです。
そして、介入のあった数日間のドル円相場の値動きを見ていれば、75円60銭近辺で介入を指示して78円20銭でやめたことなどわかるはず。
ですから、目くじらをたてて騒ぐことでもなく、同じ騒ぐのであれば介入したレートではなく、むしろ介入自体についてではないですか? と聞きたくなるのです。