くらし情報『岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (4) 『国債暴落の危機管理計画』に思う、「何を今さら? なぜ今さら?」』

岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (4) 『国債暴落の危機管理計画』に思う、「何を今さら? なぜ今さら?」

財務省は2月10日に国債や借入金、政府短期証券の残高の合計が2011年12月末で958兆6,385億円となり、過去最大を更新したと発表しました。

『危機管理計画』の報道が政府債務の金額の発表と前後していたことから、これまで国債の最大の買い手である銀行でさえも国債の急落に備えているのだから、消費税を上げて財政を健全化しないと大変な事になる、というメッセージが含まれていると”裏読み”できますが、この政府短期証券には今回の為替介入10兆円分が入っている計算です。

これまでの累積介入額で考えれば100兆円にも上ります。

政府の借金が増大して困るというならば、過去40年間ひたすら円高になってきた経緯を考えても、為替レートが円安に振れるわけでもなく、借金が増えるだけで効果が期待できない為替介入などしない方がよいわけです。

もちろん、相場は上がったり、下がったりするものですから、今回の介入によって得たドルが円安となった段階で含み益をもたらす可能性は大いにあります。しかし、1998年を最後に米ドルの売り介入は実施されていません。

持ったままで値段が上がっても売るつもりがないのであれば、借金だけが日本国民の手元に残ってしまいます。

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