2012年に入り、投資家の過度な悲観が和らいだことなどを背景に、資源国通貨や高金利通貨などが米ドルに対して反発しています。
なかでも、メキシコペソの対米ドルでの上昇率は、2012年2月16日時点で昨年末比+8.9%と、ブラジルレアルやオーストラリアドルなど代表的な資源国通貨を上回る大きな上昇となっています。
これは、米景気指標の改善などを受け、米国と経済的な結びつきが強いメキシコの景気の先行きに期待感が拡がったこと、そして、リーマンショック以降、米ドルに対するメキシコペソ上昇が、資源国通貨などと比べて抑えられた水準にとどまっており、今後の上昇余地が意識されたことなどが背景にあると考えられます。
メキシコ経済は、輸出全体の約80%が米国向けであることや米国を中心に海外で就業する労働者からの送金が内需を支えている側面があることなどから、米国景気の影響を受けやすいと言われています。
そのため為替市場では、2011年夏の米国債の格下げなどに伴ない、米国景気の先行き不透明感が強まると、メキシコ経済が内需主導で経済が堅調に推移していたのにもかかわらず、メキシコペソは大きく下落しました。
2012年に入ってからのメキシコペソの大幅反発が、米国景気の回復期待の高まりなどに支えられたものであることなどを考え合わせると、今後も、メキシコペソは、米国景気の動向に左右されると考えられます。