岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (7) 日本の”斜陽”は誇張されすぎ!? - 海外識者が語る”失われた20年”の真の姿は?
米国からしてみれば日本はGDPなどの経済的な数字で比較すると「敗者」と位置付けられますが、さぞかし疲弊しているのだろうと思ってやってきた渡航者が実際の東京の様子を見ると愕然とするわけです。
ミシュランで最高ランクを獲得した数で言えば日本が16店、本場であるフランスが10店と二番手に甘んじている状況をGDPではどうやって説明すればいいのか? そして医療制度の充実ぶりなども含め、どうしたら日本の状況を正確に伝えられるのだろう、と疑問を投げかけています。
日本経済が実は成功していたその背景の1つとして、いわゆる通常の製造業からは早々に脱却して、高品質な製品作りに資本や技術を注入したことが貿易収支の増加にもつながっていることをあげています。
日本が「敗者」であるというのは、よく言えば神話、悪く言えば作り話であり、むしろ日本経済を理想的なモデルとして見習うべきなのではないか、というのが結論です。
そして、なぜこれほどまでに日本は駄目だと言われ続けたのか、あるいはそういったイメージが定着してしまったのか。意図していたかどうかは別として、実は「負けたフリ」をして外圧をかわしてきたのではないだろうか、という憶測もあり興味深いところです。