「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (8) 失意の時、さわかみ投信の澤上氏に出会う - 第一声は「お前はバカだな!」
多くの既存投信会社は、解約されていく資金流出を埋め合わせるため、再び販売会社に御用聞きをして、新しいファンドを設定する、そして…この繰り返しの”無間地獄”に陥っています。
今も昔も同じ光景です。
そんながっくり失意の時、私に新たな出会いがありました。
さわかみ投信の澤上篤人社長(現会長)です。
さわかみ投信は「未来図」が設定されたのと同じ頃、投信会社の認可を取得、さわかみファンドを設定し、世に送り出していたのです。
マネー誌で澤上さんの記事を読んで、なんとしても会ってみたくなりました。
それは私が思い描いている長期投資の理念を、違わず熱烈に紙面で語っていたからです。
そのときの私はこれからどうしていけばいいのか途方に暮れており、まさに藁にもすがる思いだったのかもしれません。
早速マネー誌の馴染みの記者さんに澤上さんとの引き合わせを頼み込みましたが、澤上さんからの返事は「セゾンのヤツが会いたい? そんな大企業に俺は用はない!」とけんもほろろでした。そこまでばっさりと断られると、もうますますこちらも会わなければ気がすまなくなってきます。
再び件の記者さんにお願いしました。