「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (8) 失意の時、さわかみ投信の澤上氏に出会う - 第一声は「お前はバカだな!」
「忙しい!」とサッパリです。
3度目の依頼でようやく面談を受けてもらえました。
念願かなったわけですが、実はそのとき私は具体的に澤上さんの何が知りたい、ということが定まっているわけではなかったのです。
とにかく自分の長期投資への思いを伝えたかっただけなのかもしれません。
「さわかみ投信」の事務所を訪問しました。
今の同社よりずっと小さく質素なオフィスでした。
つっけんどんで高慢な人なのかなぁ、などと予想していましたが、ニコニコ顔で澤上さんは出迎えてくださいました。
自己紹介をするより先に、自分の資産運用という仕事と長期投資に対する思い、そして「未来図」での自らの体験と憤りの心中を赤裸々に吐露しました。
澤上さんはうなずきながら、私が話すことを最後まで黙って聞いてくださいました。
ひとしきり私が自らの出来事を話し終わった後、澤上さんから発せられた最初の一言は「そうか、わかった。
お前はバカだな!」でした。
そして最初のニコニコ顔に戻っていました。
続いて「よくわかっただろ? 既存の業界の中で長期投資をやろうと思ったって無理なんだよ」。
まさにおっしゃるとおりです。