くらし情報『岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (9) 経常収支の「赤字への転落」は心配無用。ただし「円安」には要注意(後編)』

岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (9) 経常収支の「赤字への転落」は心配無用。ただし「円安」には要注意(後編)

岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (9) 経常収支の「赤字への転落」は心配無用。ただし「円安」には要注意(後編)
「円安」になると日本経済にとってはどういった影響があるのか。

一般的には輸出企業が儲かって、日本経済はバラ色といった風潮です。

円安こそがデフレや産業の空洞化といった日本経済の抱える根本的な問題までをも解決するかのように伝えられていますが、実際にはそれほど喜べない状況があります。

特に一般市民の生活にダイレクトに関わってくる、という点ではむしろ深刻な問題が内在する、ということを考えておく必要があるでしょう。

その最もわかりやすい例として、昨年からのレギュラーガソリン価格とドル/円レートの推移を取り上げてみました。

昨年、対ドルでは歴史的な円高となり、かなりの期間円高水準に留まっていました。

円高がピークを迎えたのは2011年10月31日でした。

その後、今年になって、特に2月以降は円安が進んできた状況です。


そこで2011年10月31日時点と直近のデータである3月26日時点を比較してみましょう。

為替はこの間5.8%円安に振れたのに対して全国平均のガソリン価格は10.6%値上がりしています。

為替レートを上回る上昇がみられたのは、この期間海外の原油相場が上昇したためです。

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