2012年5月31日 08:08
岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (13) 世界一はスカイツリーだけじゃない! ”21年連続世界一”となった『対外純資産』
この国内で使い切れない、あまり余った金額は昨年末時点で世界一であり、なおかつこのこれまで21年間連続して、日本は世界一の立場を維持しています。
参考までに、2002年以降の主要各国の対外純資産の推移は図表のようになっています。
【出典:財務省、単位:兆円】日本はここ数年250兆円前後のプラス、米国はそれに相対するかのような金額のマイナスになっています。
日本、中国、ドイツ、スイス、ロシアがプラスですから、国全体で見た場合に資金を海外に貸している債権国となります。
そして米国を筆頭にカナダ、英国、イタリア、フランスが海外からの借金で自国経済を賄っている債務国ということになります。
債務危機に揺れるギリシャは当然のことながら、対外純負債を抱えた債務国です(2010年のIMFのデータで見ると、ギリシャの負債額はカナダと英国の中間ぐらいの金額になっています)。
余談ではありますが、日本経済が間もなく破綻するような論調が根強くありますが、日本の財政がいよいよ逼迫してきたとなれば、まずはこうした海外へと貸し出している余剰資金が日本国内に戻ってくるはず、と考える方が自然ではないでしょうか。