「AD/HD(注意欠陥/多動性障害)」をもつ子どもには周囲の深い理解が不可欠
さらに博士は、AD/HDの改善には、薬物療法が大変有効であると説明。
その立証ともなる実験結果について話した。
実験は、AD/HDを持つひとりの子どもとほかの子どもたちを一緒に教室で授業を受けさせ、同世代の子どもにどの子がAD/HDかを当ててもらい、さらにその後、AD/HDを持つ子どもに薬を投与し、回答者を入れ替えた上で、同様にどの子がAD/HDかを見極めさせるというもの。
結果は、薬を投与する前後で、正答率が100%から30%に減退した。
今回のセミナーのために初めて来日したという博士は、AD/HDのさらなる支援実現のために、日本にも正しい知識を広めたいとの考えだ。
質疑応答の時間になると、「AD/HDを持つ子どもは、同じような症状を持つ子どもたちが通う学校に通わせたほうがいいのか?」という質問が挙がった。
それに対して博士は、「そうした学校に通わせることが間違っているとはいわないが、子どもにとっては、大人に成長する前に実生活での生活を学ぶ機会を失うことにもなる」と指摘する。
親が「かかわる人を限定しなければならない」という意識を持たないためにも、AD/HDを早期に発見して、正しい医師の診断を受けながら、長期的視野で子どもとかかわっていくことの大切さを訴えた。
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