2012年7月27日 22:23
体の不自由な人のための「安全で安心な足」を目指す-”民間の救急車”の現状
7月26日、民間救急サービスを手掛けるA’ZUMAによる「民間救急(車)サービスについての説明と車両見学会」が開催された。
現在、民間救急サービスは、多くの地方自治体で導入されている。
東京都では2004年10月より、全国に先駆けて制度を開始。
制度導入の背景には、ある「大きな社会的問題」があるという。
東京消防庁によると、2010年度の救急車の出場(119番通報を受けて現場に向かう意味の消防業界用語)件数は約70万1,000件、ほぼ45秒に1回のペースである。
「救急隊員の方に話を聞いたところ、24時間の勤務時間中、署内に居られたのが19分という日もあったそうです。
当然、まともに食事は摂(と)れず、仮眠も不可能ですね」と、同社の代表取締役社長、荒井昭博氏。
こうした異常な状況を生み出す大きな要因のひとつが「救急制度利用者のモラル低下」である。
東京消防庁の調査では、2010年度の総患者搬送数およそ61万8,000人において、入院などを必要としない「軽症」が55%近くとなる約34万人だった。
モラルの低い利用者たちは、人命を脅かす存在にもなる。
都内に配備されている救急車には限りがあり、”彼ら”のところに行っている間、その近隣の”本当に救急車が必要な人”は、遠方からの到着を待つ以外ないからだ。