経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (19) 夏の特別対談~論理的に話す為の”論理語”とは? 出口汪氏の話術の極意(前編)
出口 : そうですね。
でも、それを続けてきたからこそ、私はあることを自覚するようになったのです。
それは、私は『話し方のプロ』であるということです。
鈴木 : 私が出口先生と出会った時には、すでに「話し方のプロ」という印象でした。
昔から話すことがお得意だったのですか?出口 : いいえ、もともとは話をするのが苦手でした。
私はどちらかと言うと、感覚的な人間でして、今でも家族や親しい人からは、何が言いたいのか分からない! と文句を言われます(笑)。
きっと、私の頭の中にスイッチがあって、オンになれば論理的で伝わりやすい話し方となり、オフになれば感覚的でラフな話し方になるのだと思います。
鈴木 : 私が出口先生と会話をするときは、常に明快かつ論理的でわかりやすいというイメージです。
きっと、スイッチがオンになってらっしゃるのでしょうね。
出口 : そうなのだと思います。本来、感覚人間である私が、「話し方のプロ」として一応生業を立てることができたのは、スイッチをオンにし、『論理』という武器で伝達する方法を持ったからなのだと思います。
この方法は、訓練によって後天的に習得できるのです。