経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (19) 夏の特別対談~論理的に話す為の”論理語”とは? 出口汪氏の話術の極意(前編)
これはとても疲れる作業です。
話し手は、聞き手の状態を理解し、聞いてもらうための努力と意識を持つことが大切です。
さらに、「コンテクスト=文脈」についても触れています。
コンテクスト能力とは、聞き手側が、話し手の話す内容の文脈や背景を類推しながら理解する力のことを指します。
日本人はこのコンテクスト能力が最も高いとされていますよね。
その順番はアジア人>アラブ人>欧米人なのだそうです。
つまり、日本人は聞き手としての能力が高いということです。
それにより、話し手が「迷惑な話し方」をしていても、聞き手の能力によって、なんとなく会話が成立してしまう…。
日本人が論理的に話すことが苦手な背景には、一方で、聞き手としての能力が高いという側面もあるのだと思います。
出口 : よくわかります。思いやりは日本人の特性ですから、相手がいかに「迷惑な話し方」をしていても、それを理解してあげようとする姿勢が常にありますよね。
どんなに話し手の話が抽象的で、他者意識に欠けた感覚的な話し方であっても、それほど不穏な空気にならない。
ただ、そうは言っても、結局、話し手として、「感覚的な話し方=感情語での話し方か」