くらし情報『奥様はコマガール (59) 嫁という表現に見る男女間の認識の違い』

奥様はコマガール (59) 嫁という表現に見る男女間の認識の違い

と口走っているのではないかと、顔が熱くなってしまうのだ。

そう考えると、「嫁」という表現は確かに便利だと思う。

嫁という字は「女は家」と書くぐらいだからか、自分の配偶者を下に位置付けている印象となり、人前では非常に使いやすい。

これは「家内」もしかりであり、だから最近の僕はチーのことを「家内」と呼ぶことが多くなった。

「妻」に比べると気位が低く感じられ、なんと言いやすいことか。

ところが、この「嫁」や「家内」という表現は一部の若奥様方には不評なようだ。

ある若奥様は「上から目線な感じがする」と言い、別の若奥様は「嫁とか家内とかには、女は家にいるものだっていう古い価値観が見え隠れしていて、抵抗がある」と憤慨する。

なるほど、それはそれで正当な心理かもしれないが、僕はここにこそ男性と女性の認識の違いがあると思う。


世の男性は、いや少なくとも僕は、自分の配偶者を見下しているから「嫁」や「家内」といった言葉のほうが使いやすいのではなく、単純に人前における謙遜の一種であり、言わば自虐ネタなのだ。この言葉を使うことで、妻だけでなく自分も(つまり夫婦全体を)相手より下に位置付けようと、へりくだっているわけだ。

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