奥様はコマガール (59) 嫁という表現に見る男女間の認識の違い
これは日本人特有の恥の精神とも関係している。
今となってはすっかり古くなった表現だが、かつての日本人男性は自分自身のことを「小生」「拙者」などと謙遜して称することが当たり前で、その名残は現代社会にもしばしば見受けられる。
僕自身もそうだ。
公の場では自分の著書のことを「拙著」と表現することが、なかば当然の作法になっている。
考えるに、男性という生き物はそもそもそういう精神性の持ち主なのではないか。
例えば男友達で酒を飲んでいるとき、自分の恋人や妻のことをノロケたり、自分の会社を絶賛したり、そういった自己礼賛が肴になることはほとんどない。
たまにそういうことを平気でのたまう男がいても、嫌われたり、馬鹿にされたりするのがオチである(マジで)。
その反面、男は「うちの会社なんか最低だぜー」などと自虐に近いボヤキを笑いながら放出することは日常茶飯事だ。
これは男性誌にも見られる傾向で、男性誌の特集の多くは自己礼賛ではなく、「サラリーマンなんかやってらんねー! 目指せ、脱サラ! 」といった現状卑下を前提とした打開策ばかりだ。
男性社会とはそういった現状卑下のもと、「お互い大変ですなー」