地元タクシードライバーへ突撃! 東海エリアの”隠れた名店”を教えて!
という、店主の横山誠さん。
長らくうどん店を営んできたが、そばの魅力に目覚めて一茶庵(伊東市)や無庵(立川市)などの名店で修行。
平成16年に生まれ育ったここ御殿場で、艸季庵をオープンさせた。
古民家を改装した瀟洒(しょうしゃ)な店構えは、庭の緑がよく映える。
ランチタイムは行列ができるほどだが、夜は「ゆったりとそばを楽しんでほしい」と、予約制となっている。
店に入るとまず出てくるのは、お茶ではなく”そば湯”だ。
その濃厚さと強いそばの香りに、強烈な期待感を抱かずにはいられない。
ちなみに器にもこだわっており、センスを感じさせる。
人気はやはり、そば本来の味を満喫できる「せいろ」だそうだ。
細口に切られた一九そばは、透き通った白さの中に微細な粒が見える。
聞けば、ひいたそばをふるいにかけて粗びきと甘皮、微粉の3つに分け、細心の注意で配合してそば粉を仕立てているのだとか。
ひと箸たぐって啜(すす)る。
いかにもゆでたてのエッジのきいたそばは、なめらかさだけではない素材感のある喉越しが絶妙。
そばつゆは枕崎産(鹿児島県)の本ガツオの枯節(かれぶし)を使用。
シャープさと奥深いコクがそばの味わいを引き立てている。