鉄道トリビア (169) 蒸気機関車はまるで「巨大なやかん」だった!?
そこで蒸気機関車の動くしくみをおさらいしてみた。
蒸気機関車といえば、その車体上部のほとんどが円筒状になっている。
内部はいわば「巨大なやかん」のようになっていて、中にはたっぷり水が入っている。
ただし普通のやかんとは違い、内部にはパイプ(煙管)がいくつも通っている。
このパイプは運転室のそばにある「火室」(石炭を燃焼させる部屋)とつながっている。
火室で石炭を燃やすと、火室の壁とパイプによって水に熱が伝わり、水が沸騰する。
ここで蒸気が発生するわけだ。
石炭を燃やしたときの煙は、パイプを伝わって煙突から排出される。
「巨大なやかん」の中で発生した蒸気は、蒸気機関車の煙突の後ろにあるドーム状の出っ張り「蒸気だめ」に集められる。
「鍋のふたを持ち上げる」蒸気の力は、ここでものすごく高い圧力になる。
そして小さな蒸気だめから外に出ようと、パイプ(乾燥管や主蒸気管など)を伝って蒸気室・シリンダーへと送られる。ここでの動きはちょっと複雑だ。
左右に動く弁があり、弁の片側に蒸気が溜まり、弁を押し出してシリンダー内にあるピストンへ向かう。
その勢いで弁のもう片方に蒸気がたまり、ピストンの逆側に蒸気を送り込む。