”週休2日制”が導入のきっかけだった? 知れば知るほど深い『銀行ATMの歴史』
府中工場へ向かっていた銀行の現金輸送車から、社員のボーナス約3億円が奪われた事件です。
給与振り込みにすれば多額の現金を運ばなくてすみ、こうした事件が防げます。
給与振り込みをするには、銀行と企業のあいだのデータのやりとりが必要です。
そこでまず、企業と、その企業が口座を持つ銀行の支店の間のオンライン化が進みました。
それが、銀行の各支店間に広がり、さらには異なる銀行どうしもつながるようになりました。
これによって預金者は、以前は自分の口座がある銀行の支店でしか預金を引き出せなかったのが、他の支店でもできるようになり、今では別の銀行のCDやATMからでも引き出せるようになっています。
日本で給与振り込みサービスが始まった1973年以降、オンライン化が急速に進み、CDの台数とオンライン化に関して、日本は世界の最先端に立っていました。日本の銀行オンラインシステムの特徴は”リアルタイム処理”です。
預金を引き出せば、それがすぐにその人の口座から出金されるし、振り込みも、銀行の営業時間中はすぐに振込先の口座にお金が振り込まれます。
日本では、預金者の増加に伴って銀行での作業量が急増し、作業を効率化させるためにリアルタイム処理が必要だったのです。