ハーモニカを聴きながらゆく、静岡の大井川鉄道・SL蒸気機関車のレトロ旅
だという。
オールドファンには垂ぜんモノの路線となっている。
旧国鉄時代の客車に満タンのお客さんを乗せて、SLの旅にいざ出発!きしむような音を立て、SLはゆっくりと動き出した。
木造の車内にエアコンはもちろんない。
扇風機が頭の上でぶんぶん回っている。
うっすら湿り気のありそうな空間は、ほとんど「千と千尋」の1シーンである。
発車早々、登場するのが「SLおじさん」だ。
車内アナウンスで車両のミニ知識や沿線情報をガイドしてくれる。
そして手持ちぶさたになったらハーモニカを吹くのだが、その音色が実にSL旅にマッチしていて気分がいい。
鉄道は、約30キロの道のりを1時間半かけて走る。
はっきり言ってスピードは遅い。
並走する自動車が何台もSLを追い越していく。
ガタガタと振動も大きい。
しかし存在感は抜群で、沿線にあるキャンプ場から、みんなが手を振ってくれる。
山本さんは「時間に余裕があれば、ぜひ途中下車してあぷとライン(=井川線)の渓谷や湖などの風景を楽しんでください。
温泉も素晴らしいですよ」とのこと。
そんな声に後ろ髪を引かれつつ、駅で山菜そばを食べ、駅前の屋台でくし焼きをほお張って、新金谷駅に引き返す。