「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (20) セゾンカード会員向けに「資産形成セミナー」、長期投資事業への手応え得る
何はともあれ、セゾン投信という会社が発足しました。
しかし、この段階では会社とはカタチばかり、投資信託委託業の認可申請にも至らず、金融庁に日参する一方で、新たなビジネスを営むに足るスタッフもクレディセゾンのインベストメント事業部で同社の設立に携わってくれた数人を除き、これから人探しです。
当時、投資信託会社は認可事業として金融庁の厳しい審査基準をクリアする体裁を整えなければなりませんでした。
その条件はどんなに小規模なブティックの会社であっても基本的な機能、つまり運用部門から投信計理部門、コンプライアンス部門に至るまで投信業務はすべて自前で賄うことが求められていました。
おまけにセゾン投信の事業モデルは直接販売方式、すなわち通常の投信会社であれば、証券会社、銀行に担ってもらう最終顧客たる個人投資家への販売業務も自ら行う必要があるため、販売機能へのシステム投資と人材投入等で更に大きな経済的負担がかかります。
これらをすべて賄い継続的に営業可能とするためには普通の会社を創業するよりもはるかに大きな資本が求められます。
加えて投資信託委託業務を行うには常時、最低5千万円の純財産額を維持しておかなければならず、そのバッファーも資本として必要です。