航空トリビア (22) CAは「スマイル0円」ではない
実際、海外にはスカイマークよりもずっとサービスの質が悪い大手航空会社が山のようにある。
日本では長くJALやANA、あるいはそれら大手系の航空会社に近いサービス方針で運航する新興の航空会社しかなかった。
しかし、スカイマークを除き、新興航空会社は自力での営業を諦め、生き残りのために大手との共同運航を選択した。
新興航空会社は運賃を安くし、一方で大手に肩を並べるサービスの二兎を追ってしまい、経営が行き詰まったのだ。
LCCのように安さにこだわるか、大手のようにフルサービスキャリアとして運航するか。
世界でうまくいっているエアラインは、そのどちらかに分類されると言っていい。
私たち乗客は、LCCや運賃の安い航空会社にもついつい笑顔や感じのいいサービスを求めてしまう。
しかし、そうしたサービスを徹底するには訓練が必要だ。
つまり、「予算」がかかる。例えばサービスの良さで名高いシンガポール航空。
このエアラインは、乗客から接客についてクレームがついた客室乗務員に訓練のやり直しをさせることがある。
その場合、欠員が出るわけだから違う客室乗務員を搭乗させなくてはいけない。
つまり、人件費が上乗せされるわけだ。