経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (26) ”ミスター円”榊原英資氏が語った--『鎖国モード』の日本だから生きのびる!
成熟は、決して停滞でも迷走でも閉塞でもないのです。
鈴木 : 私たちのなかには「成長し続けなくてはいけない…」という強迫観念みたいなものがありますよね。
榊原 : 成長しなければならないわけではありません。
豊かな成熟国家となった日本は、経済成長率で他国と競争する必要はありません。
人口が減少していくなかでは1%成長で十分であり、むしろ、一人ひとりの生活の質を上げていくことが求められているのだと思います。
そして、この洗練された成熟国家としての日本のモデルをもっと世界にアピールし、発信していくことも大切です。
鈴木 : 成熟国家として安定させるためには、やはり、食料=農業、エネルギーの改革が必要となってくると思うのですが…。
榊原 : エネルギーについては、地震と火山の国である日本では地熱の開発が有力でしょうね。
また海に囲まれていますから海洋熱発電やメタンハイドレードにも期待が寄せられています。
また、農業や漁業は衰退産業とされていますが、私は、まだまだ成長産業になり得る可能性を秘めていると感じます。
鈴木 : 旧態依然とした考え方を転換すべき点はいろいろとありそうですね。