文化創造か観音様へのぼうとくか? 愛知県大須大道町人祭「金粉ショー」
そこでは、アングラとは縁もゆかりもない子どもから老人までの善良な市民が、ぷるんぷるんと揺れる金色のおっぱいやおしりを眺めているのだ。
この狂気さえ感じさせる混沌(こんとん)とした熱気は、その場でないと分からない。
それにしても観音様の御前である。
人間界では罪に問われなくても、観音様には罰当たりではないのだろうか?しかしこのショー、観音様への奉納とも見えなくもない。
奉納とは、神仏を敬うために「価値のあるもの」を供物として神仏にささげる宗教的な行為のことをいう。
供物には、金銭や食べ物はもちろん、歌舞音曲も含まれる。
たゆまぬ鍛錬を積んだ大駱駝艦のしかも黄金に光り輝く舞踏だ。
そう考えると、もしかしたらこれ以上の奉納はないかもしれない。
さらに、この半裸ショーは当然ながらセクシャルなエネルギーもみなぎっている。
そこで連想されるのが、チベット仏教の秘仏ヤブユム(歓喜仏)だ。
ヤブユムは男女合体仏像で、日本の仏教では考えられないことだが、男女の仏様カップルがまぐわっている。
性行為を宇宙エネルギーの根源と表現しているのだ。
そう考えるとこの金粉ショーは、日本におけるリアル・ヤブユムなのかもしれない。
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