【エンタメCOBS】吉野家に聞く! 「肉盛り」に隠されたストイックな歴史とは?
牛丼チェーンの吉野家において、最終的に白飯に肉を盛る、いわゆる「肉盛り」はスタッフの花形であるという話を聞いたことがある。たしかにそれは牛丼という食べものにおいて、もっとも重要な工程のようにも思われる。だって牛丼に肉がなければ、ただの飯である。大切なポジションだ。では、この「肉盛り」を担うのは、いったいどのような人なのか。株式会社吉野家の広報である木津さんにお話を聞いた。
――やっぱり一番えらい人がやるのでしょうか。
「基本的には店長クラスのベテランスタッフか、もしくはそれに相当する実力を有する者が担当しています。
そもそも肉の鍋がある場所は、お店の全部を見渡せるところにあります。お客さんのお茶がなくなっている、お会計をしたがっている、そういった細かなところに気配りができ、なおかつスタッフに的確に指示を出せる司令塔が『肉盛り』を担当するのです」
――なんだかかっこいいですね。
「吉野家は1899年に創業しました。その後、震災の影響もあり、第一号店は築地市場の場内に移転しました。味にうるさく、時間に追われる市場の方々に『うまい、早い』牛丼を提供していく中で、この『肉盛り』の技術も高められていきました。昔の人は、家にどんぶりと調理道具を持ち帰って手首の返し方などを練習したそうです。シャドーボクシングならぬ『シャドー肉盛り』ですね」
――思った以上にストイックな世界ですね。
「手際良く、美しく盛るというのは基本なのです。
今はマニュアルもあり、店長がいないときはアルバイトでも『肉盛り』を行うようになりましたが、それもやはり意識の高い者が担当することが多いようです。必然的にそのまま社員になっていく方も多いんですよ」
――肉を盛りながら、社員として自分の人生も盛り上げていくといった感じでしょうか。ありがとうございました。
というわけで、吉野家においてはやはり「できる人」「やる気のある人」が「肉盛り」という大切なポジションに就くことができるようだ。これからはちょっと「肉盛り」の人の手つきや振る舞いに目がいってしまいそうである。
(根岸達朗/プレスラボ)
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