【コブスくんのモテ男道!】構造設計一級建築士に聞く「免震構造」、「耐震構造」の違いって?
例として、地盤が30cm移動し、各階が3cm移動した場合、10階建てでは1階が30cm、10階では57cmとなります。階が上に行くほど床の移動量が大きくなるため、当然、揺れは大きく感じられます。
――「高層マンションやビルは揺れたほうがいい」といいますが、本当でしょうか。
笘谷氏 建物は揺れないに越したことはありません。免震構造が良いと考えるのは、揺れが小さいからです。現在のマンション設計の主流はある程度の揺れを考慮していますが、これは揺れた方が良いのではなく、揺れても壊れないように建物に粘りを持たせた設計法だからです。
――高層階より、低層階のほうが安全なのでしょうか。
笘谷氏必ずしも、低層階のほうが安全とはいえません。
地震時に建物に加わる水平力は建物の重さに比例します。低層階の方が重いので、より大きな力が加わります。そのため、地震による建物被害は一般的には低層階の方が多くなります。
高層階では揺れは大きいのですが、構造体の被害は少なくなります。
■法律の制定年を知って、築年数で確認
――築年数で地震対策について判断することはできますか。
笘谷氏1981年6月に建築基準法が改正され、「震度6~7の地震でも建物が倒壊しない耐震性能を求める」