【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(5)もしも可聴範囲が広がったら
のオスも微弱ながら超音波を発するそうだ。キャンプ場では蛾がうるさくて眠れない、なんてオチになりそうだ。
■低周波音は百害あって一利なし
低い音を表す低周波は、100Hz以下を低周波音、可聴範囲を下回る20Hz以下は超低周波音に分類される。環境省の資料によると、工場の作業機械をはじめ、ディーゼルエンジンやジェットエンジン、橋やトンネルまでもが発生源となるという。
低周波音は人体に強く悪影響を及ぼし、症状によって4つに分類されている。
(1)心理的苦情…いらいら、圧迫感
(2)生理的苦情…頭痛、耳なり、吐き気
(3)睡眠影響…眠りの妨げ
(4)物的苦情…家具や建具の振動、置物の移動
家具が揺れるぐらいだから、そう簡単には防げない。しかも低音になるほど聞こえにくくなるため、うるさいと感じた時にはすでに大きなエネルギーを受けていることになる。聞こえない音でこれだけ悩まされているのだから、はっきり聞こえるようになったら苦情レベルでは済まされない。
もはや正気ではいられないだろう。
■まとめ
低周波音による苦情は、残念ながら昭和の時代よりも増加している。科学の進歩が、対策よりも原因を増やしているのも皮肉な話だ。