くらし情報『【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(7)もしも火星で暮らすなら』

【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(7)もしも火星で暮らすなら

と水蒸気(0.03%)はごく微量で、水に必要な水素はほとんどない。温室効果ガスとも呼ばれる二酸化炭素が多いのに、平均気温が約-40℃と低いのも大気の薄さが原因だ。

もし地球と同じように暮らすなら、
・水
・大気を増やす
・二酸化炭素を減らす
が必要だ。

そのためにはまず大量の水素を持ち込み、燃焼して水蒸気の発生から始めるのが良いだろう。雲が発生すれば気温上昇にも役立つ。つぎにわずかな酸素をかき集めて植物を育てる。二酸化炭素は豊富にあるから、あとは光合成に任せることにしよう。

しかしながらこの方法では、二酸化炭素と酸素の比率が変わるだけで、持ち込んだ水素以上に大気が増えることはない。
水素の燃焼に酸素を使うので、残念ながら気圧は下がる一方である。

希薄な大気と水素の少なさは、元をたどれば重力の小ささが原因だ。それでは重力を増やすためにはどうするか?手っ取り早いのは火星の質量を増やすことだろう。幸いにして火星にはフォボスとダイモスの2つの衛星があるので、これらを合体させると火星の質量は約0.000002%増加する。誤差とも呼べる増量だが、隕石(いんせき)や小惑星を引き寄せる確率は上がるだろうから、それまで見守ることにしよう。

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