くらし情報『【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(11)もしも地軸の角度が変わったら』

【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(11)もしも地軸の角度が変わったら

北半球と南半球の区別もなく、1年を通して同じ状態が続き、当然ながら季節も生じない。極地では水平に近い角度の日光に照らされ、一日中夜明けか日没か区別のつかない薄明かりに包まれる。単調な気候は雪や氷が溶けにくい状況を作り出し、日射の反射率を高め、地球の寒冷化を促進する。

対して自転軸が水平になると、日本を含めた北半球の大部分は、ひと夏中、白夜が続くことになる。北極の氷はひとつ残らず融けるのだろうが、浮かんでいる氷が溶けても幸いにして水位は変わらない。喜びも半年限りで、冬になれば事態は一気に悪化する。南半球が太陽に向いたままとなり、南極の氷が溶け出すからだ。陸上にある南極の氷は、溶けた分だけ海面は上昇する。
蒸発すれば厚い雲となり、温暖化を促進するから踏んだり蹴ったりだ。同時に、3ヶ月の夜に突入した北半球ではあらゆる物体を凍りつかせる。北極の氷も急速に再生するものの、海面の水位を下げる働きはしない。北極と南極では半年ごとに灼熱(しゃくねつ)と極寒が切り替わり、製氷と解凍をひたすら繰り返し、新たな海流を生み出すに違いない。海底では死のつららが多発するだろう。海水が凍ると、塩分を含まない氷と高濃度の塩水に分かれ、この高濃度の塩水が急激に冷やされると、海底を覆うように氷柱を形成する。

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