2012年10月21日 12:50
【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(13)もしも太陽が燃え尽きたら
中心付近の水素が豊富なうちは釣り合いがとれているのだが、これを使い果たすと核融合できなくなり、温度が下がって収縮する。これが第二段階の始まりだ。
第二段階では、太陽核の外側の層が、今までおこなっていなかった核融合を始める。重力の弱い外層部で核融合が起きると、外側に膨らもうとする力が働き、63億年後には直径2倍ほどの準巨星となる。
外層部のエネルギーは太陽核を3億℃に加熱する。高温となった太陽核は核融合を再開し、今度はヘリウムを原料に炭素を作り出す。順調に続けばネオン、酸素、ケイ素(シリコン)、鉄へと発展する。まさに錬金術だ。
70億年後からは赤色巨星と呼ばれる段階となり、太陽は170倍程度に膨張する。半径およそ1億2千万kmだから、水星(太陽から5,800万km)と金星(1億800万km)は飲み込まれて蒸発する。人間ならそろそろ定年を迎える時期である。第二の人生にしては少々はしゃぎ過ぎだ。
1億5千万km離れた地球は辛うじて逃れるが、太陽風も激化し地表は1,400℃に達する。地上の物体は全て焼き尽くされ、生物は死に絶える。地殻も融解すれば、地球はもはや溶岩の塊りでしかない。その後も太陽は膨張を続け、最大で200倍程度になる。