【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(14)もしも反物質を拾ったら
さて、拾った反物質を使い果たすと、困ったことに反物質は自然界にほとんど存在しない。CERNをまねて直径数十kmの加速器を用意し地道に生成するしかないが、これには天文学的な電力が必要となる。少々古い資料だが、ISAS(宇宙科学研究所)の計算では、1995年の世界の総発電量を用いても、1年間でたった0.000053グラムしか作れないという。
1グラム生成するなら、世界を1万9千年間停電させることになる。1kWh=29.10円(従量電灯B・第3段階料金)で計算すると、電気代はおよそ635垓(がい)円(6,350,775京円)だ。さきのシミュレーションの発電量(2,500kWh)を等価交換しても7.3億円程度だから、赤字にもほどがある。実現化には少し時間がかかるようだ。
■まとめもし宇宙人に出会っても握手は控えよう。
相手が反物質だったら、あとかたもなく消滅してしまう。まずはお茶など出して、対消滅しないことを確認しよう。
ただし、相手が反物質製と分かったときには、大量のガンマ線を浴びているから結果は大差ない。ならば運を天にまかせ、いきなりハグしてみるのも一興だろう。
(関口寿/ガリレオワークス)
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