くらし情報『【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(15)もしも宇宙が死んだら』

2012年11月4日 13:40

【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(15)もしも宇宙が死んだら

現在観測できる宇宙の半径はおよそ470億光年。毎年3.43光年ほど広がっている計算になる。物体は光速を超えられないのに、宇宙は光速を超えて広がるのはあまりに不条理だ。この現象は、暗黒エネルギーによるものと考えられている。邪悪さを感じる名前だが、「そこに存在するのは分かるが、見えない(=何だかわからない)」が由来だ。このエネルギーは引力とは逆に、物体と反発する斥力(せきりょく)を持ち、それが宇宙の加速膨張を引き起こしていると考えられている。もし斥力を活用できれば、超光速移動も夢ではない。
頼むぞ暗黒エネルギー。
宇宙の果てまで連れてってくれ。

さて、宇宙の膨張が続くとどうなるのか?ゴールは熱的死だ。宇宙を、自分のエネルギーで膨張している1つの物体と考えれば、膨らむごとに温度は低下する。現在の宇宙の温度はわずか2.7K(ケルビン)。あと3度ほど下がれば絶対零度となり、エネルギーはゼロとなる。幸いにも収縮できれば再度のビッグバンが期待できるが、そのエネルギーすら持ち合わせていない。永遠に続く凍りついた漆黒。弛緩(しかん)した、ただ存在するだけの空間。
これが宇宙の死にざまだ。
老兵は死なず。

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