【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(28):もしも不老不死の薬があったら
活発な新陳代謝を持続すれば、不老不死の実現に近づくのだろうが、細胞の寿命はあらかじめ決められているというプログラム説がある。
染色体にあるテロメアが細胞の寿命に大きく関係しているのだ。テロメアが長いと長寿に、短くなると短命になるのだが、人工的に短くしても、何世代かあとの子孫にならないとはっきりした差が生じないとのデータもあり、残念ながら完全には解明されていない。
DNAの損傷も大きな問題だ。DNAが傷ついたまま細胞分裂すると新たな細胞に正しい遺伝情報が伝わらず、異常細胞が生まれてしまうのだ。これを防ぐのがp53遺伝子で、DNAのダメージを察知すると正常に治るまで細胞分裂をストップし、異常細胞の発生を食い止める。
万が一に異常細胞が生まれてしまっても、やはりp53遺伝子が検知しその細胞を自爆させる。ただし、細胞分裂を止めたり新たな細胞を自爆させれば老化が進むので、不老不死にとってp53遺伝子は悪者に他ならない。
もしp53遺伝子がなければ不老不死は実現できるのか?たしかに細胞分裂はひたすら続き、自爆することもないから老化は防げるのだろうが、日焼けや放射線でDNAが損傷しても、それを蔓延させてしまう。