【エンタメCOBS】不快指数224.8!巨大洞窟(どうくつ)に迷い込んだら - もしも科学シリーズ(40)
洞穴生物も大きな脅威となる。ソンドン洞窟(どうくつ)の調査隊は毒ムカデに悩まされていると聞くが、直接/間接どちらも危険な生き物はコウモリだ。夜行性で視力に頼らず生活するコウモリにとって洞窟(どうくつ)はかっこうの住処(すみか)となり、180万匹と推定されるフィリピンのモンフォート洞窟(どうくつ)のように大コロニーを形成しているケースが多い。
コウモリに咬まれたり引っかかれると、狂犬病に感染する恐れがある。日本ではあまり聞かれなくなった病気だが、いまだに有効な治療方法が確立されていないため、発症するとほぼ100%死亡する。
たとえ接触しなくても、フンから感染する病気がある。光のない洞窟(どうくつ)では、コウモリの糞尿が植物の代わりとなり、昆虫や微生物の貴重な栄養源となっているのだが、同時にウィルスや菌の温床の役割を果たす。腎症候性出血熱を引き起こすハンタウイルスや、ヒストプラズマ症の原因となるカビの一種を増殖させているのだ。
ある洞窟(どうくつ)の観光ツアーでは、8名の観光客全員がヒストプラズマに感染した。わずか2時間ほどの滞在だったが、洞窟(どうくつ)内に舞ったヒストプラズマを吸い込んだのが原因というから、安心して息もできない。