行きたい国に思いを馳せて【TheBookNook #3】
文:八木 奈々
写真:後藤 祐樹
皆さんは“海外小説”に触れたことはありますか?
日本の作家さんが対象の国を舞台に書いた物語でも、旅行をした方の体験記でもない、現地の作家さんが書いた物語。その文章に現れるその国の“らしさ”。
「こんなときにこんなこと考えるんだ」とか「こんな見方をするんだ」など、さまざまな文化の違いをより多く感じられるのは文章で構成される小説ならではです。登場人物の名前がカタカナで頭に入りづらいとか、たとえが分かりにくいなど、外国小説には独特のハードルもありますが、一度ハマってしまえば抜けられないほど面白いのも海外小説。
写真はイメージです。
次の休日は、“世界”を片手に、ゆっくり時間をかけながら、いろいろな国を巡ってみませんか?
今回は日本にいながら小説を通して世界を旅する「海外小説」を紹介させてください。
1.【フランス】サン=テグジュペリ『星の王子様』
世界百数十の言語に訳され、聖書とも比較される、誰もが一度は耳にしたことのあるこの作品。
“大切なものは目に見えない”
“この世で唯一のバラ”
……など、数々の有名なセリフがちりばめられていますが、原文を見直すと、より深く強い作者のメッセージが見えてきます。