この春は「ふらっと能楽体験」で日本の伝統芸能の奥深さに触れてみよう
最初に教えてもらった基本の構えとすり足を軸に、「型」と呼ばれる舞の振付けを教えてもらいます。
実際に体験するのは、30秒ほどの短い舞。先に練習した「四海波静かにて」の一節を謡ったら、後はプロの能楽師の謡にあわせて教えてもらった通りに舞います。
型を覚えたら、一人ひとり能面を着けて舞ってみます
能面を着けたときの視界の狭さは想像以上。
頼りになるのは、サポートしてくれる能楽師の方の声、謡が聞こえてくる方角、そしてうっすら視界に入る柱のみ。特に柱については、観客側から見ると邪魔でしかないものが、なぜ能舞台に存在するのかを身をもって体験しました。
能面をつけて視野を狭められると、否が応にも視覚以外の感覚を研ぎ澄まされることがわかります。それは同時に、普段私たちが何気なくしている仕草が、いかに無意識的で受動的なものか、ということでもありますね。楽しい体験のなかには、そうした気づきも存在していました。
■初心者こそ行ってみて!まずは触れてみることから
プロの能楽師による舞も見ることができる。上演時以外は簡単に立ち入ることのできない能舞台を貸切状態で行われるこちらのイベント。