この春は「ふらっと能楽体験」で日本の伝統芸能の奥深さに触れてみよう
■謡(うたい)で舞台に反響する声を楽しむ
せっかく能舞台に立てるからには、あの不思議な響きの謡も体験したい。
今回教えていただいたのは、祝賀の場面で謡われることもあるという「四海波静かにて」から始まる詞章。お能の詞章には、素人には難しい独特の節付けが存在しているので、能楽師の安藤さんの後に続いて一緒に謡っていきます。安藤さんからは、「とにかく大きな声で謡ってください」とのアドバイス。
謡のときにも扇を必要とするのは、結界を結ぶ意味があるからなのだとか。扇をもって結界とみなすのは、能だけでなく茶道などほかの日本文化にも通ずる部分があります。
この微妙な節付けが難しく、苦戦します。
しかしながら、大人になってから人前で大きな声を出す機会はそう多くないもの。
能楽堂で声を出すと、自分の声ではないかと思うほど響いてくるので、これはなかなか気持ちいいものでした。
そして何よりプロの能楽師の声はけた違いで、真正面に向き合うと圧倒されます!
プロの能楽師の声を浴びつつ、出せる限りの声を響かせます
■ゆったりに見えて意外に難しい能の舞
謡を習った後は、その謡にあわせた舞を実際に舞台で舞うことができます。