潔くなくても、不器用でもいい。愛すべき「私のスタイル」はきっとある
そんなことを考えていると、ふと、長女のため息が聞こえた。
「最近、みんなと同じことができないし、自分だけ違う気がする。でも個性もないし、なんだかダメ人間な気がする」
もうすぐ10代の多感な時期。
みんなと一緒のレールの上から落ちないように、彼女なりに戦っている。
ああ、私もずっとそうだった。
できないことも多く、思春期になると、その自信のなさからカメレオンのように人の顔色を伺うことばかりを覚えた。
スタイルだって未だ確立していないから、試行錯誤しながら、でもなんとかやっている。
ビーチで見た潔い彼女が死ぬほど眩しいけれど、でもこの不器用で散らかった感じが私のスタイルなのだろう。
コンプレックスに隠れていたけど、探さなくてもここにあったのだ。
その空気感は、まさしく大好きだった田舎の風景だった。
『素敵なひとの素敵な生活』のバックナンバー
・「シンプルなTシャツに、むら染美しいスカーフ。素敵なひとの素敵な生活」
・「初秋の着こなしが素敵な人。アメリカンスリーブのニットに襟の抜いた大きなシャツの組み合わせ」
・「セットものをシンプルに。ツインニットを素敵に着こなすひと」
・「秋の深まりを楽しむ着こなし。