年始は画廊で美しい「しめかざり」を観賞!? 2013年の予約も受付開始!
お正月に欠かせない注連飾り(しめかざり)。注連縄は神域と現世を隔てる結界の意味があり、それを輪形に綯(な)い、稲穂や橙などの縁起物を付けたのが注連飾りだ。玄関口に飾ることで厄や禍を祓い、歳神様をお迎えする清浄な場所を表す。
「玉注連飾り」
お正月の注連飾りづくりには、新しい藁を使う。春に田んぼに稲を植え、夏のまだ青いうちに稲を刈り取り、乾燥させてきれいな藁にする。日本人が生きていくうえでもっとも大切なお米の稲を少しだけいただいて、来る新年に向けて無病息災、家内安全、五穀豊穣の祈りを込めて注連飾りをつくるというわけだ。
「玉注連飾り」
そんな日本の稲作の食することと生きることのつながりや、手仕事の造形の面白さに魅せられたクリエイターの鈴木安一郎さんと安藤健浩さんが、「ことほきプロジェクト」を立ち上げた。彼らが注連飾りづくりを始めたのは1999年冬。鈴木さんの父の下で手解きを受け、現在も手本や資料などを参考に注連飾りづくりの研究を重ねている。彼らにとって注連飾りづくりは、日本人としてのアイデンティティーを再確認し、モノづくりの原点を見つめ直す大切なものであるという。
「鳥お飾り」
新年早々、彼らが生み出した注連飾りが青山桃林堂画廊にてお披露目される。それは必要以上に華美でなく、稲本来の姿を生かした、清い気持ちで春を迎えるのにふさわしい注連飾りだ。中には鳥や海老、眼鏡といったユニークな形も見られる。「注連飾りの造形や素材にはそれぞれの理があり、その決まり事の中で私たちは工夫を凝らしました。
したがってまったくのオリジナル作品はなく、いろいろな地方や時代に制作されたものを参考につくっています」と鈴木さんは話す。
「眼鏡注連飾り」
初詣や仕事始めなどの帰り、この美しい注連飾りを観にぜひ立ち寄ってみてはいかが? 会場で気に入った注連飾りが見つかれば、もう次の年に向けて注連飾りを予約注文できる(2月末締め切り)。そして「ことほきプロジェクト」では予約量に応じて、春に苗を植える。1年を通してつくられた大切な藁で注連飾りをつくり、今年の12月には注文者の元に届ける仕組みだ。
「ことほき」日時:2012年1月4日(水)〜8日(日)
10:00〜19:00(最終日は18:00まで)
場所:青山桃林堂画廊
東京都港区北青山3-6-12 みずほ銀行ビル1階
Tel. 03-3400-8703
http://www.kotohoki.com/
取材/杉江あこ