●でも、そうやって自分で今回の作品を見て、全体的にどう感じました?楽しかったです、単純に。すごく流れもいいし、パーティーをしてるようなメニューだったからやってる私も楽しかったし。だから、楽しんでる自分を観て下さいっていう感じです。
●そもそもさんのライヴって、会場で観ていても感動や驚きがあるんですが、DVDでも観どころがたくさんあると思うんです。たとえばダンスの細かい手振りとかステップとか。ああいうのは DVDでアップ画像を観た方がよくわかるし。確かに。遠くからだとわからないですもんね。
今回も「LOSE YOUR MIND」とか「BUMP BUMP!」とか、ああいう曲の踊りの細かさは映像で観て楽しんでもらえると嬉しいです。
●先程ちらっと会話に出ましたが、今回のライヴの名場面は、アンコールの「メリクリ」だと思うんです。感極まって泣いちゃいましたね。はい。今回のセットリストは日本デビューの2001年から振り返っていく、みたいな曲順になっていて。時間の経過と共に、最後になったら「10年間頑張ってきたなぁ」ってしみじみしちゃって。実は、その前の「Milestone」から涙線にじわじわきていました。
●「Milestone」の前には「I SEE ME」がありますしね。その本編最後の2曲で10年間を総括してるようなところがある。そう。「Milestone」から結構ウルウルきてて、「やばい、やばい、やばい」みたいな。で、幕が下りてから、「次はメリクリだ、メリクリだ」と気合いを入れてたんですけど、歌が始まったら「うわーん」みたいな。
●涙がとめようもなく溢れてきた。ファンのみなさんが歌い出していて。私のライヴでお客さんがそんなに合唱するのは初めてだったと思うんです、いつもじっくり聴いてくれるファンの方が多いので。それでまたグッときて…。
●10年の思い出がぐわーっと駆け巡ったんでしょうね。うん。このDVDを観て、また泣きましたよ、私。今もしゃべりながら結構キてるし…(と言いながら、当日を思い出してうっすらと涙を浮かべる)。
●一生忘れられないライヴになりましたね。そうですね。きますよ、本当に。このセットリストは。
●ところで、そんな10年間で、ライヴに対する取り組み方はどんなふうに変化してきましたか?ちょっとずつ楽しめるようになってきたところはありますね。ホールライヴをやり始めた頃からかな。アリーナだとみなさんとの距離が遠いし、視覚的に見せるためにも、この曲では舞台にどこから出てきてとか、この曲ではここに立ってとかっていうのをやりこなすのに精一杯だったんです。でも、ホールになってからはお客さんとの掛け合いもできたり、音楽もバンドさんと近い距離で演奏できるようになって、ライヴそのものを楽しめるようになってきましたね。
●では、この10年で音楽を作るときに置くポイントに変化はありますか?うーん…正直、音楽は流行がありますから。メロディにポイントを置いてますって言いたいけど、ダンス曲って、正直、最近メロディが中心になってないじゃないですか。だから、そこは音楽の流行に合わせるんじゃなくて、自分が作りたい曲によって変わっていくんだと思うんですけど…。
●流行に合わせた音楽作りを大事にしたいと考えてますか? それとも流行は気にせず?流行はある程度考えた方が良いと思ってます。
ポップスを歌ってる人だから、私は。私みたいなアーティストは流行をうまく取りいれていくことが重要じゃないかなって思ってますね。(笑)。
●ところで、今回はオーディオテクニカのヘッドフォンの新しい広告のスチール撮影と、このライヴDVDのプロモーションで来日したそうですが、韓国にはいつ戻るんですか?明日です。明後日、韓国で仕事がはいってます。ホントは久しぶりに日本にきたので、もう少しゆっくりしてから帰りたかったんですけどね。
●それは残念ですね。日本で久々に会いたい友達とかもいたでしょうし。そう、会いたいんですけどね。だから、今日はその代わりにこれから大好きなお寿司をいっぱい食べに行きます!(笑)
取材・文:猪又 孝[Do The Monkey]