海外の映画関係者のあいだで、その独創性が大反響を呼んだ異色アニメーション『放課後ミッドナイターズ』、竹清仁監督のインタビューをお届け。
●オリジナル短編「放課後ミッドナイト」の映画化ということですが、なぜ人体模型や骨格標本を主人公にするという構想に至ったのですか?別の仕事でモーションキャプチャーを扱ったときに、役者さんの緊張ぐあいなど“素の感じ”が鮮明に出ることが面白いなと思ったのがきっかけです。
モーションキャプチャーで作るメリットは、お芝居を超えた人間臭さが出るということなんですが、それがアニメと重なったらとても面白い画になるんじゃないかと思いました。
それからどんな主人公にしようかと考えたんですが、最もモーションキャプチャーのメリットが出やすい人体模型と骨格標本というキャラクターを考え、そいつらが夜な夜なコミカルなやりとりをしているストーリーを作り上げていきました。
●人体模型が動き出すというストーリーはご自身が小学校時代に描かれていたイメージなのでしょうか?それもあるかもしれませんね。どこの学校にもある都市伝説ですが、人体模型が夜な夜な動きだしたり、音楽室のモーツァルトの絵がこちらを見るとか、僕も子供の頃に友達と夜の学校に忍び込んで、のぞきに行った経験があるので、そういった思い出がアイデアに結びついているのかもしれません。
●構想7年、制作に5年と伺いましたが、完成までに一番苦労した点、楽しかった点を教えてください。苦労した点は、長編の初監督作品なので、制作のペースがわからないことでしたね。
走ったことのない長距離マラソンに挑戦するようなものでした。
短距離走や中距離走レベルの尺の作品はいくつも制作したのですが、長尺の経験がなかったので、もうそろそろ30キロ地点まで来たかなと思ったら、プロデューサーに「いや、まだ15キロぐらいだよ」なんて突っ込まれながら必死でやりました(笑)。
楽しかった点というか、我ながら良いキャラクターが生まれたなーというのが嬉しい点ですね。